Phase-00 戦は再び
世界はそれなりに平和だった。
地球とプラントとの間のいざこざも一時期に比べたらグッと減った。
それもこれも、人々が互いの事を理解し合えるよう努力をした結果。
ただ、それでも血は流れる。
数ヶ月前。
地球軍月面ノースブレイド基地襲撃事件。
世界にまだ、戦争を引き起こそうとするものがいる証拠。
その戦闘に、地球軍の若き少尉「フエン=ミシマ」は出撃した。
なおも世界は戦いを促そうとするのか。
***
世界はそれなりに平和だった。
ことオーブは以前のように「平和の国」と再び呼ばれるようになった。
MSを保有せず、他国の戦闘に介入せず、自国に戦闘を持ち込まないのが理念であった。
それは今も変わらない。
強すぎる力は戦いを呼ぶ。
それが、カガリ=ユラ=アスハの言葉。
かつて地球軍の兵士だったロイドも今はオーブで暮らしている。
かつてザフトの兵士だったセフィも今はオーブで暮らしている。
ナチュラルとコーディネイターが戦争中に和解し、互いに協力し合い戦い抜いた。
そう、分かり合えるはずなのだ、彼らは。
それこそが、世界のあるべき姿。
***
ただ、世界は我侭で、人々は傲慢で。
少なからず戦いを望む者達がいるのも事実。
そして、世界その物を憎んでいる者達がいるのもまた事実なのだ。
世界よ、今こそあるべき姿を人々に見せなければならない。
C.E.73。
戦は、再び。
(Phase-00 終)
トップへ