第七章 大天使との別れ(前)

 新地球連合軍、パナマ基地。
 リエン達と別れたマリュー達は一路、パナマに戻っていた。
 いつ敵が来るとも分からない状況なのだ、パーティを二つに分けたのはおそらく正解であり、おそらく不正解。
 分けたという事はその分戦力が減ったという事。
敵が大部隊で押し寄せて来ようものなら、たちまち不利になる可能性がある。
 そうならないために、アークエンジェルには今日付けで配属になった兵士がいた。
 その兵士の名は、ラグナ・イシュバール。
 第一世代のコーディネイターではあるが、彼は同胞であるはずのコーディネイターを心から憎んでいる。
 そのため、大戦初期に地球連合軍に入隊したのだ。
 周りからの風当たりは冷たかったが、MSパイロットが不足していた当初は青く塗られたジンに乗って戦場を駆け抜けた。
 その後、極秘任務としてプラントに潜入の際にジンを撃破されたが、ZGMF−X09A2ジャスティス2号機、通称ジャスティス・ブルーナイトを奪い、プラントを脱出。
 大戦終期までジャスティス・ブルーナイトで多大な戦歴を挙げた。
 その彼がアークエンジェルに配属になったと知らされたのは、つい3、4日前の事。
 何しろ突然の移動だったからラグナも驚いた。
 ラグナはアークエンジェルの前に辿り付いた。
 今のアークエンジェルは整備を受けている。
 当時は最新鋭の新造艦だったのだが、今では少し能力に劣りが出始めている。
 そのアークエンジェルに自分の機体が運ばれている。
 その光景をラグナはただじっと見ていた。
「もしかして、ラグナ君?」
 不意に女性の声が辺りに響いた。
 ラグナが振り向くとそこにいたのはアークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスだった。
 ラグナは手にもっていた荷物を下ろすと、きびきびと敬礼をした。
「本日付けでアークエンジェルに配属になった、ラグナ・イシュバール中尉です!」
「アークエンジェル艦長、マリューラミアス中佐です」
 互いに挨拶を交わすと、緊張していたはずの気持ちがどこかに吹き飛んだ。
 マリューは優しく微笑むと、整備を受けているアークエンジェルに目を向けた。
 その目はどこか悲しげだった。
「アークエンジェルも・・・・・・もう引退かしらね」
「・・・・・中佐。そんなことは無いと思いますけど・・・・・・・」
 どこか歯切れの悪い答えにラグナは自己嫌悪に陥りそうになった。
 マリューはラグナに言う。
「そう思いたいのも山々なんだけどね・・・・・・」
 それだけ言うとマリューはラグナにアークエンジェルの中にいるようにとだけ告げてどこかへ行ってしまった。
 言われたとおりラグナはアークエンジェルの中に足を運んだ。
 ずっと近くで見たが、手の届かなかった戦艦。
 彼はアークエンジェルに乗るのがささやかな夢だった。
 ラグナは食堂の前を通り過ぎた。
 その食堂にはカガリとアスランが向かい合って座っていた。
 カガリはそうでもないが、アスランは微妙に顔をしかめている。
 彼は手にしたコップを置いた。
「なあ、本当にオーブに戻らなくても良いのか?」
「大丈夫だって。キサカが何とかしてくれているから」
「しかし、あの人だけでは・・・・・」
 すると、今度はカガリが神妙な面持ちになった。
 アスランもその変化はすぐに気付いた。
「キサカに、言われたんだ。あなたが中途半端に戻ってこられても、また家出をするって」
「・・・・・・・・・キサカさんが?」
 アスランの言葉にやや耳を傾けて、カガリはキサカに言われた事を続けた。
「だったら全てをやり終えてから戻って来いって。それまでは自分が何とかするって・・・・・・・・」
 カガリの目に涙が浮かぶ。
キサカの思いやりに(失礼だが)流石のカガリも感涙した。
 そんなカガリの頭をそっと撫でるアスラン。
 涙目でアスランを見るカガリ。
「アスラン・・・・・本当にこれで良かったのか・・・・・? 私は・・・・・私は・・・・・・」
「カガリ。キサカさんがカガリの事を思っていってくれたんだ。その想いに答えなきゃダメだ。そうだろ?」
「・・・・・・・・・・・・うん」
 カガリは静かに頷き、再び食事に手を伸ばした。
 少しでも様子の戻ったカガリの姿にアスランもほっとしていた。 
 正直、アスランはしおらしいカガリなんてカガリではないと思っていた。
 その事を口にすると何をされるか全く予想がつかなかったので、あえて口にしていないのだが。 
 そんな中、アスランはキラの事も心配していた。
 上手くやっているだろうか。
 カガリも心配していたが、十年来の友人である以上やはりアスランも心配してしまう。
 それにしても。
 そう思って食堂の一角に目を向ける。
 一角にはエイスとアルフが仲良さそうに食事をしていた。
 アスランには前々から気になっていた事があった。
 アルフの年齢は見た目から判断しても22か23。
少し多めに見ても、24である。
 しかしだ。
 エイスの場合はどうだろう。
 あの性格と低い背のせいで到底アルフやヴェルド達と同年齢には見えない。
 アスランは悩んでいた。
「アスラン? どうした?」
 先ほどから何やら考え事をしているアスランに声をかけるカガリ。
 アスランは自分の考えていた事をカガリに言った。
「そう言えば、エイスさんの年齢って知らないな・・・・・」
「だろ? 気にならないか」
「いや、別に。知らないけど、知ろうという気にもならんし」
 意外とまともなカガリの答え。
 そんなカガリの意見を全く参考にはせず、アスランはエイスの元へ駆け寄った。
 カガリも興味が無いとは言ったものの、やはり少しは気になるらしくその後をついた。
 アスランがエイスに言う。
「失礼ですけど、エイスさん」
「はい?」
「どうした、アスラン」
「エイスさんって、何歳なんですか?」
 空気が一瞬にして凍る。
 アルフは「ヤバイ」と言った顔でアスランを見る。
「・・・・・・・・・幾つに見えますか?」
 エイスからの問い。
アスランは一呼吸置いて、
「・・・・・・・・1・・・・7?」
「ひっどーーーーーーーーい!! 私はこう見えても21ですぅ!! に・じゅう・い・ち!! 心外ですぅ!!」
 エイスのあまりの見幕にアスランは一歩後ずさりをした。
 まさか自分よりも上だったとは。
ある程度予想はしていたもののやはり本当に聞くと、どこか遣り切れない気持ちになった。
 その後も怒ってしまったエイスの勢いは止まらなかった。
 
 青い海の上を進む数隻の輸送機。
 その形状は新地球連合軍で使われているものと同タイプのものだ。
 しかし機体横には見慣れないマークが描かれていた。
 かと思うと、ハッチが開き大量のMSが外の世界に吐き出された。
 そのMSは連合でも、ザフトでもない全く新しいタイプのMS。
 ネオ・ジェレイド主力量産型MS、レイスだった。
 その狙いはやはりパナマ。
 いまやパナマは新地球連合軍の本部があるだけではなく、連合のMS開発のメッカとなっている。
ここを押さえれば連合の動きは大きく制限される。
 レイスは一直線に機知に迫った。
 時を同じくしてパナマ基地でも敵機を確認していた。
 数は不明。
 しかしかなりの大部隊である事は間違い無さそうだ。
 以前、オーストラリア上空に敵の戦艦を確認したが、いよいよ本格的に敵の進行が始まった。
 パナマ基地の外に出撃するダガー系のMS。
 そんな中、明らかに専用機と思われる機体がパナマの地に立った。
「エイス・アーリィ、105エールダガー、行きます!」
 エールストライカーを装備した105ダガーが発進した。
 続いてアルフの駆るフェル、カガリの乗るストライクルージュ(エール)、アスランのイージスセカンドが出撃した。
「ラグナ君、気を付けて。敵はかなり多いわ」
 ミリアリアがラグナに伝える。
 ラグナは目の前に広がる光景を見ていた。
 綺麗だ。
 そう、素直に思える。
「ジャスティス・ブルーナイト、発進どうぞ!」
「ラグナ・イシュバール、ジャスティス・ブルーナイト、出る!」
 蒼いジャスティスが虚空に飛び立つ。
 パナマの地にある程度の戦力が揃った。
 それから間もなくして全機のレーダーに反応があった。
 敵機であるレイスからビームが降り注ぎ、パナマは炎に包まれた。
 C.E71年代のパナマ攻防戦をほうふつとさせる戦闘だった。
 あの時はロイドとその同僚、アキト・キリヤが駆逐にあたったが、両人とももういない。
 レイスがパナマに降り立つ。
 ビームサーベルを抜き、パナマから出撃したMSに襲い掛かる。
 火花が散り、撃破されていくMS達。
 アスランはイージスセカンドのMS形態のまま580ミリ複列位相エネルギー砲「スキュラ」を放った。
これはイージスセカンドで追加された攻撃だ。
 MAにならなくてもスキュラを放てるのは大きい。
 カガリも大戦時とは比べ物にならない腕前で次々とレイスを撃破していく。
 エイスの105エールダガーもアルフのフェルも初陣にしてはかなりの活躍をしている。
 そして、ラグナは動きのいいレイス―つまりコーディネイターの操るレイスだけを撃破していた。
 ナチュラルの操るMSとコーディネイターの操るMSではどうしても動きに差が出てしまう。
その差を見極めてラグナはレイスを打ち落としていく。
 常人には難しい見極めだ。
 ラグナのジャスティス・ブルーナイトはビームサーベルを連結し、アンビテクストラル・ハルバート―両刃の剣―にして敵機を切り裂く。
 レイスは紙のように切り裂かれ、爆散した。
 次の狙いを定めると、武器をルプス・ビームライフルに持ち替え、動力炉を狙った。
 その働きはどのMSよりも上だった。
 ラグナが何故ここまでコーディネイター抹殺に燃えているのかは訳があった。
 彼は幼少時、あるプラントに住んでいた。
 そのプラントに地球連合軍が攻め入り、ザフトは応戦した。
 その時、ザフト兵がラグナの両親を撃ったのだ。
 理由を尋ねてもザフト兵は「誤射だ」の一点張り。
 ラグナはその兵士を殴り倒し、プラントを出た。
 そして大戦初期に地球連合軍に入隊。
『血のバレンタイン』の舞台となったユニウス・セブン進行には蒼いメビウスで出撃し、核ミサイルを撃った。
 その後もジンを鹵獲し、パーソナルカラーである青色に塗装。
 ラグナにはためらいなど無かった。
 家族を葬った奴らを殺せるのなら、裏切り者だろうがなんだろうが快く引き受けてやる。
 それがラグナ・イシュバール、『蒼き復讐鬼』なのだから。

 戦局はアスラン達が有利になってきた。
 しかし敵は次々と押し寄せてくる。
 アークエンジェルも遅れて戦場に現れ、駆逐にあたる。
「あいつら、どれだけ!」
 カガリがビームライフルを撃つが、その一発を最後にPS装甲が落ちた。
 機体色がグレーへと変化する。
 カガリの背筋が凍る。
「カガリッ!!」
 イージスセカンドが駆ける。
 目の前の敵をビームサーベルで薙ぎ払い、ストライクルージュを助けた。
 どうやらカガリは無事のようだ。
 イージスセカンドがMA形態(大気圏内での飛行が可能)に変形し、ストライクルージュを乗せてアークエンジェルに戻った。
 アルフのフェルもそろそろバッテリーの雲行きが怪しくなってきた。
 エイスの105ダガーは順調に敵を撃破している。
 この物量ではパナマ側はやがて尽きてしまう。
そうなった場合、アスラン達がどこまで頑張れるかが戦局を大きく左右する。
「ゴットフリート、てぇーーーー!!」
 アークエンジェルからゴットフリートが放たれる。
 敵機を巻き込み、光はどんどん伸びる。
 花火のように敵機が散り、奮戦する。
 だが薄々感づいていた。
 このままではおそらくパナマは陥落する。
 マリューが、アスランが、カガリがエイスが、アルフがラグナが。
 その戦場にいる皆がその事を感じていた。
 焦りが、皆の心に生まれ始めた。
 不意に敵の攻撃が止み始めた。
 そして全周波チャンネルで女の声が響いた。
『こちら、ネオ・ジェレイド、リスティア・マクガレイ! ただ今より新地球連合軍パナマ基地にいる兵士達に通告する! 今この時より二十四時間以内に基地を明渡してもらおう。もし行動に移らなかった場合は容赦なく総攻撃を仕掛ける! ・・・・・・・・・・有能な軍人なら、判断できるはずだ。もう貴官らに勝ち目はないと』
 リスティアからの非常なる通告。
 アークエンジェルは一度、アルフ達を収容するとパナマ基地に下りた。
 クルーの顔に緊張の色が見えた。
 誰も何も喋ろうとはしない。
 そんな気ではなかったのだ。
 たしかにリスティアの言う通り、おそらく勝ち目は無い。
 しかし、ここで逃げていいのだろうか。
いや、いけない。
 パナマを陥落させるわけにはいかない。
 だが、物量には差があった。
 敵のレイスはこちらの量産型MSよりも高性能。
 倒すのに苦労する。
 どうするのか、決断を強いられた。
 パナマ総攻撃まで、残り23時間・・・・・・・・・。

 月面、ノースブレイド基地ではミストラルの発進準備が進められていた。
 船体はボロボロで、見た目はもう使えない。
 多分、一往復が限度だろう。
 リエンは艦長席に座り、最後の発進の時を待った。
 一応フエンのイルミナを搭載し、応戦できるようにはした。
 更に、イルミナ用のユニットゼオ・ブースターも完成を向かえた。
 イルミナはゼオ・ブースターを背負い、MSドッグに入る。
「これより、ミストラルは発進する。おそらくこれが最後の発進になるだろう。皆、準備はいいか!!」
 あちこちから響くクルーの声。
 それを聞き取り、リエンは命令を下した。
「よし、ミストラル、発進! 月面を離れ次第、最大全速!」
 そんなミストラルを眺めるキラ達。
「行きましたね・・・・・」
「そうだな。だが、今回はエイス達の運送だろ? そんな危険じゃないさ」
 ヴェルドはどこまでも楽天的だった。
 そんなヴェルドをエメリアは睨む。
「そんな事言ったって、どこで敵に遇うか分からないでしょうに・・・・・・・。本当にヴェルドさんって楽天的なんですね」
「何だと・・・・・・・?」
 挑発に乗ってしまうヴェルド。
 残された三人はアスラン達が来るまで何もやることが無かった。
 整備は既に終えてしまった。
 ノースブレイド基地を見て回るのも良いが、フエンがいればいろいろと教えてもらえる。
 そんな所へ、サユが通りかかった。
「あれ? どうしたんですか?」
「いや、暇だなぁって・・・・・・・」
 ヴェルドが答える。
 サユはポンと手を合わせ、にっこりと微笑んだ。
「じゃあ、この基地の案内をしてあげましょうか?」
「どうします? ヴェルドさん、エメリアさん」
「俺は構わないが?」
「私も良いわよ」
 満場一致で決定し、サユに案内してもらう事になった。
 キラ達が案内をしてもらっている間にパナマが大変な事になっているとは露知らず・・・・・。

 パナマ総攻撃まで21時間をきった時、上官から思いもよらない命令が下った。
「アークエンジェルを囮にっ!?」
 上官からの命令はアークエンジェルを囮にし、パナマ基地から退避、オーストラリア、シドニー基地へ向かうというものだった。
 アークエンジェルを盾にする事などマリュ―達にはできなかった。
 今まで戦ってきた、仲間とも呼べる戦艦を今見捨てる事は出来ない。
 マリューは士官に反論した。
「しかし、今アークエンジェルを失えば、行動に支障がきたします!」
「今ここで我等がやられるわけにはいかんのだよ!!」
 士官の意見にマリュ―の肩が震えた。
 士官も分かってはいるのだ。
ここでアークエンジェルを失えば、これからの戦いでも支障が出る事位。
 百も承知だった。
 討論が続く中、大きな音が辺りにに響いた。
 見ると壁に大きなくぼみが出来ている。
 犯人はラグナ。
 ラグナはこの場にいる者全員に言った。
「今はこんな事してる場合じゃないだろ!? 一刻も早くこの状況を切り抜けないといけないのに、何をグダグダやっている!?」
「ラグナ君・・・・・・」
 ラグナは続けた。
 精一杯の怒りを込めて。
「こんなところで何もせずにいるのなら・・・・・・俺が出る!!」
 ラグナは荒々しくヘルメットを持ち、ジャスティス・ブルーナイトの足元まで来た。
 ラダーを使ってコクピットに乗り込む寸前、ラグナは付け足した。
「いずれユニウス条約でNJC搭載MSは廃棄される。その前に一瞬でも煌きを見せた方が良いだろ?」
「ラグナ・・・・・・・・・お前、まさか」
 アルフが何かを悟った。
 だが、そんなアルフにラグナは、
「大丈夫、死ぬような真似はしない。ただ時間を稼いでいる間に出来るだけ戦力を整えてくれ」
 コクピットハッチが閉まり、カメラアイに光が灯る。
 機体が蒼く色づき、一歩踏み出す。
 勢いよく飛び立つジャスティス・ブルーナイト。
 時間にはまだ多少の余裕はある。
その間にどれだけの戦力を整える事が出来るか。
 ちなみにイージスセカンドとフェル、エイス専用105ダガーはエネルギーの充電が完了していた。
 ストライクルージュは少し間に合いそうも無い。
 アルフ達も各々の機体に乗り込み、戦場へ舞い戻った。
 最終抵抗を見せるアルフ達。
 敵も予想もしていない行動に不意を付かれていた。
 爆発が起こり、再び戦闘が開始される。
 残り二十時間以内に敵を全滅できれば何とか危機は回避されるが、いかんせん現時点では戦力がなさすぎる。
「うあああああああああ!!」
 アンビテクストラル・ハルバートで敵を斬るジャスティス・ブルーナイト。
 その目には何が映っていたのか。
 頑張った甲斐あってか、敵の数が少しずつ減って来た。
 上手くいけばパナマを守る事が出来る。
 それだけを信じ、アルフ達は戦い抜いた。
 しかし、思わぬ事態がラグナの身に起きた。
 ジャスティス・ブルーナイトの脚部のシステムが停止したのだ。
おそらく、これまでの激しい戦闘が一時的にシステムダウンを起こしたものと考えられる。
 急に動きが遅くなるジャスティス・ブルーナイト。
 敵がそれを見逃すわけが無く、照準をジャスティス・ブルーナイトに合わせる。
 ラグナの血の気が引いた。
 相手の動きからするとコーディネイター。
 彼にとってコーディネイターに殺されるほどの屈辱は無い。
 今ここで下手に動くと、発砲される。
 万事休すとはこの事だ。
 生まれて初めて死への恐怖に直面したラグナ。
 ラグナは目を閉じた。
 しかし、敵からの砲撃はいつまで待っても来ない。
 モニターに目を向けた瞬間、敵機が爆散した。
 そして、空から光が舞い降りた。



 (第七章  終)

   
トップへ