〜第5章 闇と風の死闘〜
「アルヴィース特務兵!! たたたたた、大変です!!! 」
「・・・・入れ。」
コウが戦う決意を胸にロシアの大地に立った、その少し前のこと――。
ザフトの隠密偵察型輸送艦「バズヴ」の艦内がにわかに騒がしくなっている事にメイズも気づいていた。
「はいっ。しししし、失礼いたします」
「・・・・どうした? 」
メイズの部屋のドアが開き駆け込んできた緑の隊服を着たその少女は、相当慌てているようだった。
最も、この娘の場合いつものことではあるのだが。
「あ、・・・・あたし・・いえ・・・・・あ・・・自分の名前は、は・・・・。」
「・・・・メリリム・ミュリン・・・だろう?知っている。・・・で、『大変な事』の内容をうかがいたいのだが?」
いつもの事ながら、メイズが話の先を、先を、聞かなければ、メリリムとの会話は全然前へ進まなかった。
だが、メリリムは嬉しかった。
憧れの青服の人間に、自分の名前を覚えてもらったのだから。
メリリム・ミュリン――。
カーペンタリア所属の兵士で緑服。
非常にあがり症のため、常になぜかあせっているような印象を周囲に与えてしまう事から、過小評価を受けがちであるが、実は非常に優秀なパイロットである。
MSに乗ったときのメリリムの性格は普段のそれとは一変し、メイズに匹敵するほどの冷静かつ正確で、困難な戦闘やミッションを難なくこなす。
そんな隠れた実力が、青服隊長のブリフォーの目に留まり、今回カルラと同じように青服候補生としてメイズに同行している。
元々人一倍あこがれていた青服の人間と任務を共にし、自らもなろうというのだから、ここ数日メリリムの緊張の度合いも半端なものではなかった。
もっとも、そのためにメイズにはすぐ覚えてもらえたのだが。
「は、はい。実は、先ほど無断でカルラ・オーウェン特務兵候補が、MSにて、しゅ、しゅ、しゅ・・。」
「! ・・まさか、ツヴァイで出撃したと言うのか!? ・・・カルラの奴・・・・! 」
メリリムが言い終わる前にメイズは状況を察した。
迂闊だった。
カルラなら、確かにやりそうな事だ。もっと念を押して釘をさすべきだった。
メイズは完全に自分が言葉足らずであったことを悔いた。
今更ながら、ブリフォー隊長が普段過剰なほど口うるさい理由がわかってくる。
例え、勝てる戦いでも連合の勢力圏内で戦闘を、しかも奇襲をかけるなんて事をすればそれこそザフト軍全体にまで及ぶ問題となってしまう。
「・・・メリィ、我々も出撃するぞ。目的はカルラの連れ戻しだ・・・・! 」
「は、はいいっ・・・・・? メ、メリィ? 」
足早に歩き出したメイズは足を止めて説明した。
「・・・・すまないが、メリリムでは少々呼びにくい。これからはメリィと呼ばせてもらいたいのだが、まずいか? 」
突然のメイズの提案に何がなんだか分からないが舞い上がるメリリム。
「い、い、いえ!! か、構いません!! 」
それを聞くとメイズはまた歩き出し、数歩行ったところでまた止まった。
「・・・そうだ、オレの事は『メイズ』でいい。アルヴィース特務兵では呼びにくいだろう。お前は候補生とはいえ、今はオレと同じ青服なのだから。」
「!!!!! は、はいいいいい!!!!! 」
足早にMSドックに歩き出すメイズに、メリリムは舞い上がりながら小走りについていった。
「・・・メリィ、そのMSは初フライトらしいが、行けそうか・・・? 」
メイズはディン・ハイマニューバのコクピットから、隣にたつその白いMSに通信を送った。
「はい、大丈夫です。いつでも発進可能です。」
コクピットに座ったことで、既にメリリムは落ち着いていた。
「・・メリィ、お前の目的は2つだ。そのMS『ドライ』のテスト飛行とツヴァイの連れ戻し、もしくは回収。・・・・・くれぐれも忘れるな。」
「了解しました、メイズ。」
赤紫に染まった死翼の堕天使のモノアイが怪しく光る。
「メイズ・アルヴィース、ディン・ハイマニューバ、発進する・・・!」
そして、ツヴァイとまったく同型のこの純白のモビルスーツ『ドライ』にも命が宿る。
「メリリム・ミュリン、ドライ、行きます!!」
2機の天使は加速し、星空のかなたに消えていった。
暗闇の中に浮かぶ、忌まわしいその宿敵の姿をカルラの邪悪な瞳は捉えていた。
「でてきやがったなぁ!!!! 白い奴!!! 」
脳裏によみがえる東アジアの洋上での屈辱的な光景が、カルラとツヴァイを突き動かす。
「今度は、確実に落としてやるぜぇぇぇぇぇ!!! 」
漆黒の刃をきらめかせ、ツヴァイはスサノオめがけて飛来する。
「・・・来るっ!! 」
コウはスサノオの操縦桿を握り、精神を集中させる。
そしてコウの意識に無数の声が入り込でくる。
『・・いくらメビウスが速かろうが・・・・接触時に狙い撃ってくれる!! 』
「・・・いくら速くても・・・向かい撃てる・・!! 」
9.98m対PS超高熱空斬剣≪ツムハノタチ≫の刀身が徐々に赤熱の輝きを放ち始める。
「! たしか、ありゃブリフォーの奴が斬られた・・・中距離斬撃ができるバケモノ刀・・・!! 」
カルラは、瞬時に判断し機体を急速上昇させてスサノオの正面からその姿を消した。
「まともに行ったら、白い奴を切り刻む前にこっちが斬られちまう! じわじわ嬲り殺しにしてやるよ!!! 」
カルラの恐ろしいところはここだった。
ただの戦闘狂ではなく、状況を瞬時に把握し冷静に最善の手を実行するしたたかさ。
これがカルラを今日まで強くし、生き残らせてきた。
全てはあの男と戦うために・・・!!
「コウ・・・あいつ、なんで!! 」
スローンのブリッジでは、CICの座席にかけるシュンが悲痛な声を上げていた。
「ちぃ、無理してクールな真似しやがって!! マナ姉!! 」
「・・・ええ、とにかく今はスサノオを援護します! 急速反転!! 」
そういってスローンはその傷ついた艦体を反転させる。
「「コウ君!! 」」
ブルーセイヴァーとジンがスサノオに駆け寄り、3機が背中合わせになりながらそれぞれの刃を構えた。
「コウ君、一体どうしたんです!! それに乗れば・・・! 」
「確実に命を削る・・・・。後悔は、しないのね、コウ君・・・・。」
シャクスとアイリーンの言葉に力強くうなずくコウ。
「ええ。オレだって、知りたいから! 父と母のことを!! それに・・・このまま見ているだけなんてオレにはできないですよ!! 」
コウの決意が本物だと確認したシャクスとアイリーンは操縦桿を握り締め、集中する。新しい仲間を得て、その口元には少しばかりの笑みを浮かべながら。
「盲目のザコが、まとまったところで何になる!!! 」
そんな3人を構うことなく、漆黒の魔人は舞い、その無数かとも思える刃の斬撃をスサノオ、ブルーセイヴァー、ジンに浴びせ続ける。
3機はそれぞれのシールドや剣でそれをかろうじて防ぐ事しかできなかった。
「やつは異常に速いわ、しかもこの暗闇よ!! 」
「・・確かに、スサノオの性能がすごくてもこれじゃ攻撃も当たらない・・・!! 」
「・・まったく、ザフトの方々もエ〜クセレントな機体をおつくりになりますねぇ!! それが、悔しい!! 」
先ほどと同じ、不利な膠着状態となった3機の元に黄金の座天使が駆けつける。
「レヴィン、『イフリート』をあの3機の周囲に撃てる!? 」
「マナ姉!? いや、撃てる事は撃てるけど・・あいつらまで巻き添え食いますぜ!? 」
「できるなら、やりなさい!『イフリート』照準、スサノオ他2機!てぇ!! 」
「ちぃ!! 言ってる意味はオレにだってわかってますよぉ!! ここはクールに決めるぜ!! 」
レヴィンの狙った照準の元、発射された多目的ミサイル≪イフリート≫はスサノオ達の周囲をかろうじて避け、まるで守るかのように爆炎の壁を作る。
「なにぃ!! ぐわああ!! 」
そして、その周囲を高速飛行していたツヴァイは、その紅炎の魔王の網にかかり、灼熱の業火に包まれた。
「・・逃がしませんよ!!! 」
マナの作戦をいち早く察知して既に空中に飛び上がっていたシャクスのジンが、振動子付き重斬刀≪スーパーシャクスソード≫を両手に携え、悶絶する漆黒の悪魔の頭上に現れた。
「ちぃぃぃぃ!!!!! 」
カルラは左腕の硬質メタルブレードを使い、≪スーパーシャクスソード≫をかろうじて受け止めた。
「まだこれからですよぉ!! 私のエ〜クセレントな剣の威力は!!! 」
接触した≪スーパーシャクスソード≫の刀身が超高速で小刻みに震えだす。
次の瞬間、
ピキィ!
「な、重斬刀でオレの硬質メタルブレードにひびだと!!! 」
「どうです、高速振動子付きの重斬刀の味は! なかなか乙なものでしょう!? 」
たまらずその場を離れようと上空に飛翔するツヴァイ。
途中何発もの爆炎の網を無理やり突き破る。
「はあ、はあ、お、おのれぇぇぇ!!! 」
カルラは憎しみのこもったその視線をスローンの方に向ける。
「この金ぴかがぁぁぁぁ!!!!! 」
怒りで我を忘れたかのように、漆黒の悪魔は金色の座天使に刃を向けて突撃する。
「副艦長!敵機接近!! 」
「レヴィン、回避!! 」
「!!!くっ間に合わねぇ!! 」
カルラの憎しみのこもった殺気がスローンのブリッジを包み込む。
「スローンが!! 」
「みんな!! 逃げなさい!!! 」
アイリーンが、シャクスが叫ぶ。
しかし、この距離では3機にはどうする事もできなかった。
コウの脳裏にまた幾千の言葉が突き刺さる。
『届かないなら、届かせればいいだろう? ・・・簡単さ! 』
「・・! ・・・アイリさん、あの黒の機体めがけて飛んで!! 」
突然のコウの言葉にアイリーンは動揺する。
「飛べったって、ブルーセイヴァーは・・。」
「いいから!!!! 」
コウの怒号を受け、アイリーンも覚悟を決める。
「了解! 行くわよ!! 」
アイリーンはブルーセイヴァーのバーニアを全開にして遥かかなたの黒い悪魔をめがけて跳躍した。
その背後で、コウのスサノオは両掌をブルーセイヴァーに向けて構える。
「いっけぇぇぇぇ!!! 」
竜巻発生装置≪テング≫が唸りを上げ、強烈な気流がブルーセイヴァーに高速の翼を与えた。
「終わりだぁぁぁぁ!! 」
ツヴァイの刃がスローンを捉えるかと思ったその瞬間だった。
「させるかぁ!!!!! 」
風神を味方につけたブルーセイヴァーの≪シュベルトゲベールMk.2≫がツヴァイの背部と両足を斬り捨てる。
「ばかな!! どうやって!!!! うおぉぉぉぉぉぉ!!!!! 」
傷は浅くコクピットまでは達しなかったものの、背部の飛行用バーニアを斬り壊されたツヴァイは暗闇の空から一直線に落下してゆく。
その無機質なコンクリートの大地に激突する寸前、赤紫と純白の2機の堕天使が、満身創痍のツヴァイを両脇から抱きかかえてそのまま大空へと飛翔する。
「・・・カルラ、ずいぶんと勝手な事をしてくれたものだな・・・。」
「・・・・くっ・・・・・。」
メイズの言葉に言い返すことができずにカルラは押し黙る。
「・・まあ、言い訳や戦果の報告はバズヴに戻ってからゆっくり聞こう・・。」
「!! 戻るってのか!!? ここまで来て!! 」
カルラのこの言葉にメリリムが意見する。
「ここまで来たのはあなたのせいです、カルラ。それに、これ以上の戦闘はそのツヴァイではもう不可能でしょう? 」
「・・・ぐ・・・。」
メリリムの正論に、またもカルラは言い返せない。
「・・・・おい、メイズ。」
「・・・なんだ。」
「・・・・悪かったよ。」
「・・・・なら、最初から遠慮してほしかったな。」
「ホントですね。まったくもって迷惑です。」
メイズの言葉にメリリムもうなずいた。
「・・・おい、メイズ。メリリムの奴、こんな性格だったか? 」
「・・・・・・・。」
3機はそのまま連合軍の領空を脱出して行った。
静寂のもどる補給基地。
静寂といっても、基地の軍人たちは損壊した建物やサーチライトなどの器物の確認と復旧に追われている。
戦闘の終了を悟ったスローンのクルー達は艦をドックに収容して、MSドックに集まっていた。
そこには既にMSから降りたシャクスとアイリーンの姿もあった。
皆が、一機のMSの前に集まり、その姿を見上げる。
おもむろにコクピットが開き、私服姿の黒髪の少年がワイヤーに足をかけ、ゆっくりと降りてきた。
「コウ!! 大丈夫なのか!? 」
シュンが涙目で駆け寄り、コウも微笑を浮かべそれに答えた。
銀縁の眼鏡の奥に芯の通った強い、そして澄んだ青い瞳を持つその少年は、地球連合軍第49独立特命部隊隊長シャクス・ラジエルの前に歩み寄った。
見詰め合う両者とそれを見守るクルー達。
口を開いたのはシャクスだった。
「もう一度、聞きますよ。・・・いいのですね? 」
シャクスの問いかけに、コウは力強くうなずいた。
「オレも、一緒に行かせてください。真実を・・・知りたいから!! 」
新たな仲間の誕生に、歓声があがった。
シュンは、
「大丈夫!! コウは僕達が守るから!! 」
サユは、
「一緒にいけるのねっ! よかったぁ!! 」
レヴィンは、
「いい度胸だぜ!しっかりついて来いよ、クールボーイ? 」
マナは、
「事情や経緯はともあれ、歓迎するわ!コウ。」
シャクスは、
「さ〜て、それではこれからもスサノオを診れるんですねぇ!! 腕がなります! 」
ナターシャは、
「・・・やっぱり、スサノオはコウさんの機体です。言ったとおりでした。」
そして、アイリーンは、
「あなたが戦うと決めたからにはしばらくの間は戦友ね、よろしく頼むわ。」
アイリーンの差し出した手を、コウはしっかりと握り返した。
「・・・カルラの奴が、馬鹿なことをしたらしい。」
カーペンタリアのMSドッグでアマテラスの整備をしていたエリスに声をかけたのは、ブリフォーだった。
事の顛末を聞いたエリスはため息を漏らす。
「・・まさか、失敗する以前の問題だったなんてね。歴戦の勇者様は廃業して、預言者にでも転職したら? ブリフォー。」
エリスの皮肉に苦笑しながら、ブリフォーは続けた。
「・・・カルラの奴は今日付けで青服候補生からはずされる事になるが、予定通りアフリカ大陸で奴らを叩く事になる。エリス、 君は明朝07:00(マルナナマルマル=am7:00)にMS高速輸送船『ブリジット』に乗艦。そのままメイズと合流してくれ。・・・・アマテラスも一緒だ。」
「!! ・・・いいの? 」
「ああ、データはほぼ取れたし、後は外部入力するためのデータがなければここにあっても意味がない。OSや駆動系の調整も順調なのだろう? 」
「ええ。いつでも出れるわ。・・・・あなたは? 」
「オレはまだ出れない。『あいつ』ができるまでな。」
ブリフォーがおもむろに視線を向けたその先には、ロールアウトすらしていないザフトの新鋭機の姿が見えた。
全身が、グレーに包まれたそのMSのモノアイは、そこに光がともる事を今か今かと待ちわびているかのように見えた。
「・・・フェイズ・シフト、だったかしら?あれに試験搭載されている装甲は。」
エリスの言葉にブリフォーはうなずく。
「そうだ。ミゲル達が命を懸けて与えてくれた力だ。・・・・この力で、今度こそ必ず。」
「・・・ミゲル・・・。」
ブリフォーとエリスはこの最新の機体に、ミゲルの姿を重ねてみていた。
朝日の光が照らすそのコンクリートの大地はとても穏やかであり、冷たく新鮮な空気が澄み渡っていた。
「それじゃあ、気ぃつけて行けよ・・・! 」
「ありがとうございますザガン大佐。」
シャクスとバルバトスは互いに別れの握手を交わした。
既にスローンに乗り込んでいるクルー達からも、スピーカー越しに別れの挨拶が聞こえた。
『ザガン先生!!! お元気で!!! 』
『先生ぇ、月基地転属の件っ、お願いしま〜す!! 』
『くれぐれも、もうろくだけはするなよ、マスター! 』
「あいつら、勝手な事言いやがって!!! 」
微笑むバルバトス。そしてシャクスに言付ける。
「シャクス。あいつらと、ケインとアリアの忘れ形見を頼むぜ! ・・あと、あの件もな。」
「・・・わかりました。引き受けましょう。」
「すまんな。達者でやれと伝えてくれ。」
黄金色に輝く朝焼けの空に、黄金の座天使は舞い上がる。
目指すのは、南方の大陸アフリカ。
そこに待ち受けるものは何なのか。
何が待っていようと、自らが選んだ道であることを胸にコウ達は空のかなたにその姿を溶かして行った。
その頃、大気圏よりも遥か上空の宇宙(そら)に一機のモビルスーツの姿があった。
「――だが、こっちもダメだろ? 」
コクピットに座る少年の問いに答えたのは、なんと小型の人工AIらしき物体だった。
そのディスプレイに、返答の文字が浮かんだ。
『大気圏へ降下中
エネルギー残量0
軌道修正不可能 』
「ちくしょう・・・・これまでか・・・・。」
ジャンク屋ロウ・ギュールは自分らしくはないと思いながらも、覚悟を決めた。
その時だった。
作業用のアーム型マニュピレーターがロウの乗っていたガンダムアストレイ・レッドフレームの機体をつかみ、収容する。
「え? ・・・お、おい! ホームごと地球に落ちちまうぞ!! 」
ジャンク屋仲間のいる母艦『ホーム』に収容されたロウは、仲間のとった行動に驚いた。
このままでは大気圏突入機能を持たない宇宙艦であるホームごと地球の引力で落下してしまうからである。
「なんとかなるわよ。」
白衣をまとった美貌の女性が答え、
「回収したコロニーの外壁が役に立つはずです。」
優しい目をした長髪の青年が生存の目算を口にし、
「ロウだけで行かせないよ!! 」
と涙を浮かべながら少女は叫んだ。
「へっ、馬鹿野郎――。」
言葉とは裏腹に、待ち受ける未知なる星での出来事を想ってロウは心を躍らせた。
こいつらと行く、この青い星で一体何が待っているのだろう。
その答えはおのずと知れる事となる。
王道ではない赤き冒険者と、同じ源流をもった赤銅色の風の神との出会いは、近い。
〜第6章に続く〜
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