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Inter Phase  世界の行方

 ロドニアにある地球軍の研究所。

 ここでは、ブーステッドマン及びエクステンデッドの研究が行われている。

 世界各地より有能と思える子供たちをここへ集め、ザフトのコーディネイターをも凌ぐ兵士を作り上げるのが目的。

 そのロドニアの研究所。

「相変わらず辛気臭い場所だな……気が滅入る」

「そう言うな、クーデルカ中尉。ここは重要な研究所、らしいからな」

「ふん……」

 アシッドナー・クーデルカ。

 階級は中尉、年齢は24。

 灰色の髪を肩まで伸ばし、その視線は特訓中の子供たちに注がれる。

 地球軍は何時からこんなにも腐ってしまったのだ。

 未だに信じられない。

「次、141」

 栗色の髪を伸ばした少女がルームランナーに乗り、体力測定を行う。

 アシッドナーはその少女を、じっと見ていた。

「惚れんなよ? ありゃもう人間じゃないんだ」

「分かっている」

 だが、アシッドナーは141番目の彼女に、何かを感じていたのかもしれない。

***

 プラント、アプリリウス。

 ギルバート・デュランダルは一人の青年の到着を待っていた。

 第二次ヤキン・ドゥーエ宙域戦において生き残り、その後も数々の戦場を潜り抜けてきた男。

「失礼します」

「書類は拝見したよ。中々素晴らしい活躍じゃないか、ルーウィン・リヴェル君」

「いえ、自分はただ」

「分かっている。君はただ生き延びるため、ではなくプラントを仲間を守りたいという一心で戦っているのだろう?」

 ルーウィンは頷いた。

 言葉は出ない。

 こうして議長の前に出るのなんて初めての事だ。

 緊張もする。

「さて、君を呼んだのは世間話をするためではない。君はこれより、ZGMF-X79S、ストームを受領、地球の南アメリカファンダル基地へと向かってもらう」

「地球、ですか?」

「そうだ。これから暫く、戦場は地上に移ると私は睨んでいてね。君のようなパイロットの力が必要なのだよ」

「……分かりました。ルーウィン・リヴェル、了解いたしました!」

 同時刻、南アメリカにある小さな町「ラケール」。

 永久的に戦闘が禁止されているこの地だが、地球軍もザフトも基地をおいている。

 それは互いにけん制し合うため。

 本格的な戦闘は起きないものと、考えていた。

 そのラケールの商店街の外れにある一件の家。

 木造の、温かみのある家に彼女は住んでいた。

 光のない世界で暮らす、フィエナ・アルフィース。

 窓から入る爽やかな風に、つい息を漏らす。

「今日も、良い天気なんですね」

 彼女もまた、戦争によって大きく運命が捻じ曲げられる事となる人間の一人である。

***

 そしてオーブ。

 ミネルバが発ってから2週間。

 そしてアスランがオーブを離れてから大分経過した。

 カガリは、連絡一つ遣さないアスランの事を心配していた。

 ある島国の言葉で「頼りがないのは元気な証拠」と言うが、やはり心配である。

 付き添っているユウナも、気が気ではない。

「ほ、ほら、アスランもああ見えてしっかりしている所もあるからさ、きっと大丈夫だよ、カガリ」

「……そう、か」

 励ましの言葉も今の彼女には届かない。

 プラントへ行く。

 それだけ言って連絡がないのだ、心配になるのも無理はない。

 しかし、頼りは突然舞い降りた。

「カガリ様、ユウナ様、大変です! オーブにザフトのMSが接近中です!」

「何だと!? 数は!」

「それが一機で、パイロットからは攻撃に意思は無い、と」

「何が目的だろうね……カガリ、とりあえず国防省へ向かおう!」

「ああ、無論だ!」

 急いで二人は国防省へ向かう。

 既に接近中のMSを迎撃しようと、ムラサメが二機離陸した所だった。

 モニターに映るのは真紅のMS。

 確かに見たことは無い。

 新型のテストだろうか。

「接近中のザフト軍MSに告ぐ! 貴官が接近中なのは中立国家であるオーブと言う事は理解しているな! 目的は何だ!」

 カガリの声に反応して返ってきたのは、予想だにしていない人物の声だった。

『カガリ……! 俺だ、アスランだ!』

「え?」

 オーブに、アスランが戻ってきたのはミストラルが戻る三日ほど前の事だった。


(Inter Phase  終)


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