Phase-22 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦−1

 ボアズが陥落した今、地球軍が狙うのは軍事要塞ヤキン・ドゥーエしかない。

 ロイド達は一路ヤキンへと向かう。

 その中で。

「エスコール少尉、話とは?」

 エリカのいるクサナギに赴いたロイドは、彼女に頼みにきたのだ。

 これからヤキン・ドゥーエにて最終戦が始まる。

 その前にやっておきたい事があると、ロイドが言う。

「……ブレイズに搭載されているリミッターを外してくれませんか?」

「それは正気で言っているのかしら?」

 さすが技術主任だけあって、ロイドの申し出に一言待ったをかけざるを得ない。

 MSのリミッターは通常、パイロットがMS操縦時に身にかかる重力などを軽減。

 より安全に操縦出来るように施されているもの。

 それを外すのは、自分から死にに行くようなものである。

「言っては何だけど、ブレイズもあのストライクの発展形で、いくらかスペックアップされているのよ。それに、もうじきエールストライカーだって完成するわ」

 全体的にエールストライカーを装備するとなると、加速力が飛躍的にアップする。

 その分、体への負担も増えるのだが。

「そんな状態でリミッターを外せば、間違いなくミンチになるわよ?」

「それでも、倒さなきゃならない相手がいるんです、俺には」

 ぐっ、と握った拳。

 カルラを、セフィウスを倒すには並みの性能では無理なのだ。

 それこそ、MSの限界性能の先を越えなければ。

 そのためにはリミッターを外すしかない。

「……死んでもいい、と?」

「そのためなら」

「……あまり、気は乗らないのだけれど、あとでブレイズを持ってきてちょうだい。そのときにはストライカーパックも出来てるはずだわ」

「すいません、急に変な事を言い出して」

 エリカもロイドの考えはわかっている。

 それでも気が乗らないのは、彼女が技術者の端くれ。
 
 わざわざ死ぬ事を志願している人間を乗せたくないのだ。

 皆、生きるためにMSに乗り戦う。

 そんな彼らの力になりたいから技術者の道を選んだと言うのに。

 それでも、ロイドの決意が揺るがないと言うのならば。

 彼女は、力を貸すしかないのだ。

 技術者として。

 エリカは話を進める。
 
 リミッター解除後のブレイズの稼動時間はおおよそ90分。

 通常時の半分となる。

「いいわね、もう一度言うけど無茶だけはしないこと」

「ええ、分かってます」

 間違っても「SYSTEM A's」を使ってはいけないと言う事を付け加える。

***

 エターナルブリッジに、キラとアスランはいた。

 これから向かう、ヤキン・ドゥーエについての話を聞いていたのだ。

 ヤキン・ドゥーエにはザフトの大半の戦力が集まっていると考えてもよい。

 それにたいこうして地球軍も各地から戦力を集めてくるだろう。

 そんな正規軍2つに、自分達は生き残る事が出来るだろうか。

 いや、生きなければならないのだ。

 地球軍が勝っても。

 ザフトが勝っても。

 その先に待つのは一方を虐げる邪な世界。

 そんな世界、認めてはいけない。

「ザフトは、核を撃ってくるかな……」

 キラが呟いた。

 元々NJCはザフト、プラントが開発した技術。

 その気になれば核ミサイルの1つや2つ、どうと言う事はない。

 ただあのパトリックの事だ。

 更なる兵器を隠している場合も考えられる。

「父上が正気ならば……あるいは……」

「撃ってくるさ、やつらも、生きるために」

 バルトフェルドが向き直る。

 鋭い、隻眼で。

「誰だって一度でもトリガーを引けばその恐怖心なんて忘れるさ。僕もそうさ。最初は怖かった。けど、戦場で過ごすうちに慣れていてねぇ」

 キラもそれと思い当たる節があった。

 最初、ストライクに乗り始めた頃は戦うのが嫌だった。

 トリガーを引く事すら躊躇ってしまうほどに。

 だが、今はどうだ。

 日に日に怖くなっていく。

 自分の中の恐怖心がうすれていく事が。

「だから、ザフトは撃ってくるさ。必ず、な」

「それを私達は止めなければならないのです。地球軍の核攻撃も、ザフトの報復も。その先に、平和など無いのですから」

「……もし出来るなら、父上は俺が止める」

 アスランの瞳が揺れる。

 むやみに戦渦を広げた同じ血脈を持つ人間として。

 パトリックは、父は、自分が止めないとならないのだ。

「キラも、アスランも無茶だけは……」

「分かってるよ、ラクス」

「ああ、死ぬような真似はしない」

 二人の言葉に胸をなでおろすラクスだが。

 最終決戦の地で、それが果たして守りきれるかどうか。

***

 フエンは母艦「オルゴデミオ」の格納庫に立っていた。

 まもなくヤキン・ドゥーエに到着する。

 今までに無い、大規模な戦闘になるだろう。

 この戦いに勝てば、平和が訪れる。

 そう考えていたが、実際、彼の表情は暗かった。

 核ミサイルによる、制圧作戦など。

 間違っている。

 間違っているのに、フエンはその作戦に参加しなければならない。

 答えは簡単、彼は軍人だから。

「次も、ピースメーカーによる制圧作戦……。それまでの時間稼ぎが任務、か」

 イルミナのコクピットに乗り込む。

 戦場に近づくにつれ、彼の息遣いが荒くなる。

 こんなにも戦場が恐ろしいものと感じたのは、初出撃の時以来。

『間もなく戦闘宙域です。総員、第一戦闘配備!』

 アラームが鳴り響き、慌しくなる。

 フエンが所属しているのは第三小隊。

 その出撃のときが来た。

『カタパルト接続、進路クリア。イルミナ、発進どうぞ』

「了解、フエン・ミシマ少尉、イルミナ、出ます!」

 カタパルトによる急加速。

 イルミナがヤキン・ドゥーエ宙域に出撃した。

 ピースメーカーが出撃するのは、今から約2時間後の事。

 それまで、出来るだけ多くの敵戦力を外に出さなければならない。

 その地球軍の出撃に呼応するように、ザフトにも動きがあったのは言うまでもない。

「敵が来る……! 各機、散開して応戦を!」

 フエンの耳に届いたその指示に従う。

 それぞれが接近中の敵機に向かい攻撃を仕掛ける。

 イルミナのビームライフルがジンを貫き、サーベルがシグーを切り裂く。

 その最中、イルミナの横を過く機影が三つ。

 カラミティ、フォビドゥン、レイダー。

 その3機がバラバラながらも、強大な力を振り回す。

「また、アレのお守りかよ、つまんねぇな!」

 カラミティがその右手に持つ「トーデス・ブロック」を放つ。

 オルガはただひたすらに苛ついていた。

 ただ戦えれば良い。

 それだけなのだが。

「ぼやくんじゃねぇよ、オルガァ! 僕たちだってつまらないんだからさ! 抹、殺!!」

 レイダーが後方より飛来し、ジンを捕獲し粉砕する。

 戦うための存在が、戦わずに護衛だけをする。

 それがどんなに苦痛か。

「こんな退屈な作戦、考えた奴って頭おかしいよね……」

 シャニが薄気味悪い笑みを浮かべると、フォビドゥンが走る。

 その先には迎撃隊製に入ろうと質得たシグーが二機。

「へへ、いただき……!」
 
 しかし、その攻撃が届く事はなかった。

 ザフトの援軍が到着したのだ。

***

 イザークは隊の出撃命令を待っていた。

 こうして待っている間にも、外では戦闘が激しさを増している。

 彼は戦闘狂ではない。

 だが、こうしてじっと待っているのも性ではない。

「ジュール隊長、ジュール隊の出撃命令です」

「場所は!?」

「フィールドA、現在地球軍の新型3機が出現している宙域です」

「了解した……! ジュール隊、出るぞ! 遅れるなよ!」

 イザークの号令と共に、MS隊が出撃する。

 イザークの乗るデュエルを先頭に、シホの乗るシグー・ディープアームズと二機のゲイツ。

 さらに後方に他の隊員の乗るMSが展開している。

 地球軍の新型の実力は報告書で聞いていた。

 ボアス陥落時のあの戦闘でも、他の機体を寄せ付けない強さを発揮していたと言う。

 果たして、このデュエルで戦えるだろうか。

「いや、やってみせる……! 俺は!」

 初めて弱気になりかけたイザークだが、その気持ちを振り払い。

 目的の場所にたどり着いた。

 既に宇宙空間には倒されたMSの残骸が漂っていた。

「遅かったか……だが!」

 デュエルが先陣を切る。

 レールガンの弾丸が放たれた先には、カラミティ。

「ようやくまともな奴が出てきたかよ!」

「そんな旧式で、僕に勝てるって!?」

「へへ、面白そうじゃん……」

「ジュール隊、各員に告ぐ! ここから先、1ミリたりともこいつらを進ませるな!」

 デュエルのライフルの発射と同時に、隊が動いた。

***

 その頃、ミストラル以下四隻艦隊もヤキン・ドゥーエ宙域に接近していた。

 ロイドはブレイズをクサナギに預け、ミストラルの食堂にいた。

(この戦い、おそらくカルラとアキトも出てくる……。俺はその時、勝てるのか……)

「ロイド?」

 向かいの席に座っていたセフィが顔を覗く。

 考え事を質得たロイドを心配してか、彼女も若干元気が無い。

「あ、あー……なに?」

「……ううん、別に。ただ、ぼうっとしていたから」

「悪い、考え事をしてた」

 集中するのは良いことだが、考え事をするのはあまり良い事とは言えない。

 その後も特に話すことなく、水を飲んだり辺りに視線を配ったりしていたのだが。

 口を開いたのはセフィだった。

「ねぇ、ロイド」

「んー」

「もし、もしね、今度の戦いで生き残ったら……」

 しかしその先を言わない。

 言いたくないのか言えないのかどちらか。

 なるべくならロイドもその先を聞きたくはない。

「……やっぱりいい」

「だろうな。昔読んだ漫画だと、その手の事を言ったら必ず死ぬし。でも、死なせはしない」

 ロイドが持っていたコップを机に置いた。

「守ってみせるさ。セフィも、ミストラルも、全部!」

「あ、あまり気負いはしないでね……?」

 それで吹っ切れたのか、以後のロイドの表情は何時もどおりの表情になっていた。

 それから三十分ほどが経過した時だった。

『まもなく、ヤキン・ドゥーエ宙域に到着します。総員、第二戦闘配備、パイロットは各機体にて待機してください』

 核を、たとえ一つでもプラントに落としてはなりません。

 撃たれるいわれなき人々の上に、その光の刃が突き刺されば、それはまた、果てしない憎しみと涙を呼ぶでしょう。

 他の機体よりも先に、フリーダムとジャスティスがエターナルの前方に展開する。

 ラクスは、今の自分たちの行動を嘆いていた。

「私達は、間に合わなかったのかもしれません……」

 そう、間に合わなかったのだ。

 間に合わなかったから、地球軍が核を撃った。

 そしてザフトも報復に出た。

 誰が、止める?

「平和を叫びながら、その手に銃を取る……。それもまた、悪しき選択なのかもしれません……」

 そんなラクスの言葉を背に、バルトフェルドは指示を出した。

「ミーティア、リフトオフ!」

 エターナルの看守に備え付けられた白き砲台。

 そのカバーが外れ、宙に浮かぶ。

 アームが可動し、自動制御で変形をしていく。

 丁度中央にフリーダムとジャスティスが入り込み、ドッキングを行う。

 フリーダム、ジャスティス専用支援ユニット、ミーティア。

 アームには「120cm高エネルギー収束火線砲」と「MA-X200ビームソード」。

 推進ポッド上部には合計77門にもなる「60cmエリナケウス艦対艦ミサイル発射管」、更に両側部には「93.7cm高エネルギー収束火線砲」。

 フリーダムとジャスティスのNJCが生み出す強大なエネルギーだからこそ成しえるMSたりえる推進力と砲撃能力。

 それがミーティアには備え付けられている。

「でもどうか……今、この果てない戦いの連鎖を……断ち切る力を――――――――!」

 フリーダムとジャスティスが凄まじい加速力で戦地へと赴いた。

 やや遅れて、アークエンジェルからストライクとバスター。

 クサナギから完成したばかりの「MBF-02 ストライクルージュ」とM1アストレイ。

 そしてミストラルから。

『フェミア、発進位置へ!』

 リィルのオペレートに従い、フェミアが第二カタパルトに。

 ロイドは先ほどクサナギに向かった。

 共に発進できないのが少し寂しいが。

 戦場に出れば合流できる。

 ロイドは、セフィもミストラルも全部守って見せるといった。

 では彼が「盾」になるというのなら、自分は「剣」になろう。

 ロイドと、ミストラルに降りかかる火の粉を振り払う「剣」に――――――――。

『進路クリア、フェミア、発進どうぞ!』

「……セフィ、エスコール、フェミア、行きます!」

 同じ頃、クサナギではブレイズの最終確認が行われていた。

 ロイドがOSを立ち上げ、スペックを確認する。

 確かにブレイズの性能は上がっていた。

「何度も言ってるけど、無茶だけはしないでね。それと、SYSTEM A'sは使用してはダメよ」

「了解」

「それじゃ、発進どうぞ」

 クサナギのハッチに立つ。

 エールストライカーを背に、ブレイズのカメラアイに光が灯る。

『ブレイズ、発進どうぞ』

「了解。ロイド・エスコール、ブレイズ……行きます!」

 翼を得たブレイズが飛ぶように出撃した。

***

 地球軍ドミニオンブリッジでアズラエルは戦局をまるで娯楽番組でも見るかのような顔で見ていた。

「ほら、ちゃんと攻めて攻めて。勝ちはすぐそこなんでよ?」

「……アズラエル理事。パイロットの事も考えてください」

 ナタルが嗜めるように言うが、アズラエルの耳には届いていないのか。

 時計ばかりを気にしている。

 間もなく戦闘開始より二時間が経過しようとしている。

「少し早いですが、撃ちましょうか。アレを」

 その決断にナタルの顔から血の気が引いた。

 作戦よりも早くピースメーカーを出せば、自軍にも被害が及ぶ可能性がある。

 十分退避してからのほうがと、進言するがそれすらも聞き入れない。

 本当に目の前の敵を倒す事しか考えていない。

 自分の軍の兵士がどうなろうと、彼には。

「さて、全艦に入電です。ピースメーカー、全機発進を」

***

 イザークの額に汗がにじむ。

 やはりデュエルと目の前の新型のGでは性能に差があったのだ。

 しかもこちらはアサルトシュラウド装備のため、宙間戦闘において重要な機動性で負けている。

「くそっ……! こいつらァ!!」

「へへ、遅いんだよ!」

 カラミティの突進からのケーファーツヴァイによってデュエルが被弾する。

 援護するようにシグー・ディープアームズが前に出るが、所詮は量産機上がりのカスタム機。

 特機相手に、満足の行く戦いが出来るわけではない。

 その時だ。

 ザフト全部隊に緊急入電が入った。

「何だ……あのミサイルは!?」

 モニターの映し出されたそれは、核を示すマーキングがなされていた。

「全軍、あのミサイルを打ち落とせ!!」

 デュエルが踵を返し。

「プラントを……プラントを撃たせるなッ!!」

 誰でもいい。

 早くあのミサイルを落としてくれ。

 そうしないと、プラントが。

 守るべき場所が――――――――――。

 宇宙に、核の光が輝いた。

 守れなかった、プラントを?

 いや、違う。

 プラントは確かにそこにある。

 イザークは宙域を確認した。

 すると、高速で接近する熱源が2つ。

 MA、いや、MS。

「フリーダムに……ジャスティス……!?」

 直後に、膳宙域に存在しているMS及び、ヤキン・ドゥーエ、地球軍艦隊に国際救難チャンネルを通しての全集は通信が流れ始めた。

『私は、ラクス・クラインです。地球軍、及びザフト軍は直ちに戦闘行為を中止してください。これ以上、無益な戦いを繰り広げてはならないのです』

 ラクスの声に戸惑うザフト兵。

 ざわめきが起こる。

 もちろん、イザークもその一人だった。

 しかしながらラクスの声もむなしく、地球軍の第二波ミサイル攻撃が始まる。

 デュエルのシヴァが火を噴き、ミサイルを落として行く。

 その最中、イザークはモニターの端に二機のMSを見つけた。

「あれは、ストライクに……バスター!?」

 あの時、メンデルで敵対したディアッカが、こうしてプラントを守るために行動している。

 いや、プラントを守るためではない。

 戦闘そのものを止めさせようと奮闘しているのだ。

 さらには巨大な追加装備を施したフリーダムとジャスティスから無数のミサイルが放たれ、核ミサイルをを瞬く間に落としていく。

 彼らは、本当にこの戦闘を止めようとしているのか――――――――?

***

 ヤキン・ドゥーエ管制室で、パトリックとラウは報告を受けた。

 エターナルを初めとする四隻の戦艦が出現。

 地球軍とザフトの残存戦力を行動不能に追い込んでいると言う。

「よもやここでエターナルが出てくるとは思いませんでしたな、ザラ議長閣下」

「ふん、小娘一人放っておけ……。どうせ奴らには何も出来ん。それより、『ジェネシス』の発射準備はどうだ」

「はっ、フェイズ3を終了しました」

「よろしい。全軍退避させろ」

 管制室より、宙域のザフト軍MSに暗号電文が伝えられた。

 イザークがその電文を目で追う。

「全軍、射線上より退避……、ジェネシス……!?」

 その数分後の事だった。

 ヤキン・ドゥーエ後方に巨大な建造物が姿を現した。

 その大きさはヤキン・ドゥーエなど比ではない。

 アークエンジェル、ミストラル、クサナギ、エターナルでもそれを視認した。

「何だ、あれは……!? あんなもの、なぜ気付かなかった!」

「しかし、先ほどまでレーダーには無反応で……」

「ルフィード大佐、ミラージュコロイド……?」

 ミリアからその単語を聞いた時、リエンは苦虫を潰したように顔を顰めた。

 そうか、ミラージュコロイドで「あれ」を包み込めば、レーダーでも視認による確認も出来ない。

「今すぐにロイドとセフィを下がらせろ! アレは……!」

「りょ、了解!」

 そのころ、管制室ではジェネシスの発射シークエンスが静かに進められていた。

 ジェネシス前方に円錐状一次収束ミラーがセットされる。

「思い知れナチュラルども、これが我らコーディネイターの―――――――」

 パトリックの指示。

 ナチュラルに与える天罰。

「創生の光だ!」

 ジェネシスの奥深くで核の光が弾けたと思うと、第一次収束ミラーに。

 その光を反射し、今度はジェネシス本体の第二収束ミラーに跳ね返される。

 戦場にいたイザークはすぐにフリーダム、ジャスティスの両機に向かって通信を送る。

「下がれ、ジャスティス、フリーダム! ジェネシスが撃たれる!!」

「イザーク!?」

「……ジェネシス?」

 刹那。

 戦場に強烈な光が走る。

 その光は地球軍艦隊、MSを飲み込み彼方へと。

 創生の光。

 それは、世界にとって破滅の光となる。


(Phase-22  終)


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