Eplogue 終焉

 後にAlliance紛争と呼ばれるあの事件より、4ヶ月が過ぎた。

 ヨーロッパ第4基地の小さな部屋で、アルトは手紙を読んでいた。

 それは南アメリカに帰ったルーウィンからだった。

 手紙は3枚からなる長文だった。

 フィエナが入院した理由は、妊娠によるものだったと言うこと。

 それももう4ヶ月に差し掛かったところであるということ。

 実はフィエナは、お腹が目立たない体質らしく。

 ルーウィンも病院で初めて知ったとか。

「……夫なら早めに知っておきなさいよ、馬鹿ね」

 それから手紙を読み進める。

 フィエナの体も健康そのものである、と言う報告もあった。

 あの戦いが嘘のように、ヨーロッパは平和だった。

 ちなみにストームは、キラがOSにロックをかけて、ラケールの町の中心に置いてあるとか。

 時には子供たちがルーウィンの下に来て、コクピットの中に入れてくれとせがむらしい。

 そのストームの足元には、こう書かれている。

『大切な人を守りぬいたMS』

「ふぅん……英雄ぶっちゃって」

 アルトは手紙を置いた。

 ドアのところにキースがいた。

「よう。そろそろ新兵どもの教習の時間だ」

「ええ、分かっているわ」

 アルトとキースはあの戦いのあと、この第4基地で新兵の教習の任についている。

 階級もそれぞれ上がり、大尉となった。

「今日は、MS基礎運用だっけ、お前」

「そういうキースは?」

「実技訓練だ。ストライクダガーのな」

 そう言うと会議室の前。

 アルトはここで新兵の教習に当たる。

「ねぇ、キース」

「ん?」

「残ったのが貴方で、良かったわ」

 あの戦いから、アルトは人を呼ぶとき「アンタ」から「貴方」へと変化した。

 一体何が彼女を変えたのかはわからないが。

 会議室の中に入る。

「それでは、教習を始めます。ビシビシ行くわよ!」

 鬼教官の指導は、始まったばかりである。


(機動戦士ガンダムSEED ALTO)


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